あいち権利擁護ネットワークという、弁護士・司法書士・社会福祉士・社会保険労務士等が参加する多職種の専門家の集まりが主催する「なんでも相談会」が二か月に一回、金山の司法書士会館で開催されています。

もともとこのあいち権利擁護ネットワークが発足するきっかけになったのが、尾張東部成年後見センターが主催した研修会であったことから、設立後ずっと関わってきています。

正式には、「高齢者・障害のある人のためのなんでも相談会」なんですが、なんでも相談会と略称しています。

なんでも相談会の特長は、時間無制限であること。よくある無料相談会などでは時間が30分と限られています。困っている事情を説明するだけで、30分では足りないことが多くあり、肝心の対処方法の検討がなされないまま、次の相談先を紹介されて終わりということもあります。また、精神障害のある人や手話通訳を必要とする人、高齢者の方からお話を聞くときには、時間も必要です。

時間無制限ですが、だいたいは、一時間半ぐらいお話を聞くと、課題も対応方針も整理されて、満足されてお帰りになります。1日に一組ぐらいは2,3時間時間がかかることもあります。

時間無制限と表裏なのですが、前の方がいつ終わるかわからないので、予約のシステムがとれません。

二つ目の特長は、多職種の専門職が同時にテーブルについて相談のお話を聞くことです。トラブルにあい不満を持って相談に来られる方の背景には、障害のことがあったり、生活困窮の課題があったりと多様です。目の前のトラブルに法律的な整理はできても、生活そのものの安寧が取り戻すためにはどうしたらいいのか、ひとりの専門職では対処できないあるいはベストの対応案の提案はできなさそうなことも多く、複数の専門職がいろんな切り口から検討していきます。

三つ目の特長は、手話通訳者の「常設」です。依頼があって手話通訳を手配するのではなく、手話通訳者の方がかならず来ていただくようになっています。そのため、手話通訳を必要とする方がよく相談にこられます。このような場があることを喜んでいただいています。

相談にのる専門職は、交通費も含めて一切金銭的な見返りのないボランティアで参加していますが、相談に参加することで、専門職としてのスキルアップと顔の見える関係でのネットワークを得ることができます。

10月の相談会が30回目でした。二か月に1回なので、かれこれ5年続けてきたことになりました。長く継続してきて、相談に来られる方は増えましたが、もっと多くの地域に展開していくことがひとつの課題になっています。いつか、小牧市あるいは尾張北部圏域でも同様の相談会を開催することができればと考えています。

次回のなんでも相談会は、12月9日(日)の午後です。