寝ても覚めてもというのは、恋の思いのときに使うのが普通かも知れませんが、この仕事をしていると、「あの人」のことがいつも気になる、ということに。

この土日は、法事のために、実家に帰ってきて、年老いた母親とも会ってきました。90何歳かですが、一人暮らしではなく三度の食事は心配ない暮らしをしています。しかし、耳が遠くなってコミュニケーションが取りづらいという悩みはあるようです。歳をとることが幸せばかりではないのが寂しいです。

猛暑のなかの納骨のお経を唱える住職の後でぺったりと座り込んだ母親の姿ともかぶり、高齢の方の暮らしを守るということについて、福祉の仕組み作りの世界から具体的な固有名詞の世界で「あの人」のことを思うことが多くなりました。

私たちの仕事は、認知症になっても障害があっても幸せに暮らせるよう一人ひとりを支えていくこと。私たちができること、他の支援者のみなさんに比べてできることは少しだけですが、誠実にできるかぎりのことをしていきたいと思います。